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FRANCHISE

「塾のフランチャイズは悲惨」は本当か|加盟が得になる条件と、見送るべき条件

「塾のフランチャイズは悲惨」という言葉で検索する方は、加盟を検討していて不安を感じている段階にあると思います。ただ、この問いは感想では答えが出ません。悲惨になるかどうかは、条件が満たされるかどうかで決まるためです。

ロイヤリティを払ったあとに残る利益がいくらか、加盟前に本部から受け取る書面のどこを読むか。この2つを、損益の計算と契約書で確認する点に分けて見ます。当社はどの本部とも加盟契約の関係を持っていないため、見送るべき条件も書いています。

なお当社は、ご相談の結果としてフランチャイズ本部をご紹介する場合に、紹介料などの対価を本部から受け取る可能性があります。この点は本ページ末尾にも記載しています。ご紹介する場合でも、まずこの記事と同じ計算で採算を確かめます。条件が合わなければ見送りをお勧めします。

契約書の束と万年筆、朱肉と印鑑が置かれた会議室の机
※写真はイメージです。特定の教室や事例を示すものではありません。

SHORT ANSWER

結論から。 加盟が得になるのは、加盟によって増える在籍数 × 1人あたりの限界利益が、ロイヤリティと追加固定費を上回るときだけです。 当社のモデルケースでは、売上歩合型のロイヤリティで在籍が11人増えて、ようやく損得がゼロになります。この人数が自分の商圏で現実的に届くかどうかが、判断の分かれ目です。

計算は第2章で扱います。個社ブランドごとの加盟条件・費用の比較は本ページでは扱いません。

1. 「悲惨」の正体は、数式で説明できる

フランチャイズ加盟でうまくいかない状態を分解すると、多くは次の1点に行き着きます。 ロイヤリティという固定的な支出が増えたのに、それに見合うだけ在籍が増えなかったという状態です。

加盟すると、本部のブランドとノウハウが使える代わりに、加盟金・ロイヤリティ・システム利用料といった費用が発生します。これらは在籍が少なくても発生します。つまり加盟は、損益分岐生徒数を引き上げる行為でもあります。

引き上がった損益分岐生徒数を、本部の集客支援によって超えられるなら収支上は有利になります。超えられなければ、独立していたときより収支は厳しくなります。この差が「悲惨」と言われる状態の中身です。

問いを立て直します

「フランチャイズは悲惨か」ではなく、「自分の商圏と自分の集客力で、ロイヤリティを上回るだけ在籍が増えるか」が実際に答えるべき問いです。ここは計算で出せます。

2. フランチャイズ加盟が得になる条件は、計算できる

加盟による損得は、次の関係で決まります。左辺が右辺を上回れば加盟が有利、下回れば独立のほうが有利です。

-400万円 -200万円 0 200万円 400万円 600万円 年間の損得 +11人 +7人 売上歩合型 定額型 +0+10+20+30+40 加盟によって増える在籍数(人)

加盟が得になる条件

(加盟で増える在籍数 × 1人あたり限界利益)>(ロイヤリティ + 加盟による追加固定費)

加盟によって在籍が何人増えれば、支払うロイヤリティと追加費用を上回るかを示したモデルケースです。 売上歩合型では11人、定額型では7人増えて、ようやく損得がゼロになります。 売上歩合型は、加盟しなくても集められたはずの生徒(この例では55人)の売上にもロイヤリティがかかるため、必要な増加人数が大きくなります。
前提: 生徒1人あたりの年間限界利益を210,000円、加盟しない場合の在籍を55人、 売上歩合型のロイヤリティを売上の10%(生徒1人あたり年間売上300,000円で計算)、 定額型を月額100,000円、加盟による追加固定費を年額240,000円として計算しています。 ロイヤリティの方式・率・金額は本部によって大きく異なります。いずれも当社が置いたモデルであり、特定の本部の条件ではありません。 実際の判断は、検討している本部から示された条件の数値を当てはめて行ってください。

この図で重要なのは、損得がゼロになる地点が原点ではないことです。売上歩合型では在籍が11人増えて、ようやく収支が合います。加盟した瞬間から得になるのではなく、先に一定の在籍増を積んで初めてプラスに転じます。「加盟すれば生徒が増える」という漠然とした期待では足りず、何人増えるのかを具体的に見積もる必要があります。

11人という数字自体は、置いた前提で動きます。ロイヤリティ率が高い、加盟による追加固定費が大きい、あるいは自塾の単価が高い(=歩合の負担が重い)ほど、必要な在籍増は増えます。確かめるべきは人数そのものではなく、検討している本部の条件を入れたときに何人になるかです。

なお、加盟しない場合の1教室の損益そのものは収支シミュレーターで出せます。ロイヤリティ分を固定費または変動費率に上乗せすれば、加盟後の損益分岐生徒数も同じツールで比べられます。

では、加盟によって在籍が何人増えるのか。ここを希望で置くと計算全体が意味を失います。見積もる方法を並べます。

  1. 本部に既存加盟教室の在籍数の実績を尋ねる 平均だけでなく、分布(最も少ない教室は何人か、開校後1年時点の平均は何人か)を聞いてください。平均値だけでは、少数の好調教室に引き上げられている可能性を判断できません。
  2. 自分の商圏で独力なら何人取れるかを先に出す その数と、本部のブランドがあった場合の想定との差が「加盟で増える在籍数」です。独力の見積もりを出さずに加盟後の数字だけ見ると、差が測れません。

商圏から獲得できる生徒数の出し方は開業ガイドの第5章で扱っています。加盟を検討する前に、まず独力の数字を出してください。

3. ロイヤリティの方式で、結論は変わる

前章の図で、売上歩合型と定額型の線が大きく違うことに気づかれたと思います。損得がゼロになる在籍増は、売上歩合型で11人、定額型で7人でした。同じ条件でも方式によって1.5倍前後の差が出ます。

ロイヤリティの年額は、方式で伸び方が違う(モデル) 売上歩合10%と、定額 月100,000円を並べた場合 年額 0 在籍40人で入れ替わる 定額型 売上歩合型 360万円 120万円 0人30人60人90人120人 在籍が少ないうちは歩合が軽く、増えると定額のほうが軽くなります 伸ばす前提なら定額、伸ばしきれない前提なら歩合。どちらを選ぶかは見込む在籍数で決まります

読み方 横軸が在籍数、縦軸がロイヤリティの年額です。売上歩合型は在籍に比例して増え続けます。定額型は在籍が何人でも変わりません。 この例では在籍40人で負担が入れ替わります。教室が伸びるほど歩合型は重くなり、伸びなければ定額型が重くのしかかります。 加盟の可否を見るときは、率の高い低いではなく、自塾が見込む在籍数がこの交点のどちら側にあるかで比べてください。

モデルです。売上歩合10%・定額 月100,000円は、条件の違いを見せるために置いた値で、相場を示すものではありません。 1人あたりの年間単価は当社が置いたモデルケースであり、業界平均でも統計値でもありません。単価・変動費率とも自塾の実績に置き換えてください。 実際のロイヤリティ率・定額・算定の基礎(売上か粗利か)は本部ごとに違います。加盟前に示される書面で確認してください。

売上歩合型

売上に一定率をかけて支払う方式です。在籍が少ないうちは負担が軽く、開校直後の資金繰りは楽になります。一方で、加盟しなくても集められたはずの生徒の売上にもロイヤリティがかかります。既に集客力がある人ほど、この部分が純粋な費用増になります。前章のモデルでは、この「もともと集まる55人分」だけで年間1,650,000円のロイヤリティが発生する計算です。

定額型

在籍数にかかわらず一定額を支払う方式です。在籍が増えるほど1人あたりの負担が下がるため、規模を伸ばせる見込みがあるなら有利です。一方で在籍が少ない期間は固定費として重くのしかかります。開校から在籍が積み上がるまでの期間が長いと、資金繰りを圧迫します。

方式のほかに、算定の基礎も確認が必要です。売上歩合型でも、何を売上とみなすか(月謝のみか、季節講習や教材費を含むか)で負担額が変わります。ここは書面で明確にしておいてください。

継続して出ていくのは、ロイヤリティだけではない

前章の計算では、加盟による追加の固定費をひとまとめに置きました。実際に見積もるときは、中身を費目に割ってください。ロイヤリティと並んで毎月出ていくものがあります。

  • システム利用料 管理システム・教材配信・請求のプラットフォームを本部が指定している場合にかかります。教室ごとの月額のほか、生徒1人ごとに課金する形もあります
  • 広告分担金・販促費 本部が打つ広告の費用を加盟教室で分担する形です。自分の商圏に配信されるとは限りません
  • 教材・テストの仕入 本部からの仕入が指定されている場合、単価と最低ロットが利益に直接効きます
  • 研修費・会議費 定例研修やオーナー会の参加費・交通費が、年に何度か発生します

このうち在籍が増えなくても出ていく分(教室ごとの月額・最低額)は固定費に、生徒1人あたりや売上に連動する分は変動費に入れてください。教材やテストの仕入は在籍数で動きますし、システム利用料も生徒ごとに課金する本部があります。ロイヤリティ率だけで比べると、率が低い本部のほうが有利に見えることがあります。前章の式に入れるのは、ロイヤリティとこれらを費目ごとに振り分けた額です。

説明を受けるときは、月額の合計がいくらになるかを、1教室あたりの金額で聞いてください。項目ごとに分かれていると全体が見えにくくなります。

ロイヤリティの方式・率・金額は本部によって大きく異なります。個社の条件については、検討している本部から示された条件の数値を、前章の式に当てはめてご確認ください。

4. 加盟前に示される条件から、確認できる

加盟を検討する段階で見落とされがちなのが、加盟者募集における情報開示について、法令とガイドラインで取り扱いが示されていることです。説明会の口頭説明やパンフレットだけで判断する必要はありません。

インターネットを活用した指導方法の採用率(加盟の有無別) 経済構造実態調査(2020年)第3表。管理業務のシステム化の有無ではありません 50% 加盟している 44.9% 加盟していない 72.3% 差は27.4ポイント。加盟している側だけが半数を割っています 本部の方針で使える範囲が決まることがあります。加盟前に確認する項目のひとつです

読み方 加盟している事業所は44.9%、加盟していない事業所は72.3%です。加盟側だけが半数を割っています。 本部が用意した教材と指導方法を使う前提だと、教室の判断で入れ替えられる範囲は狭くなります。良し悪しではなく、自分で決められる範囲が変わるということです。加盟を検討する段階で、システムと教材の裁量がどこまであるかを確認してください。

出典: 経済産業省・総務省「経済構造実態調査」(2020年)【33学習塾】事業従事者5人以上の部 第3表(統計表ID 0003450269)。政府統計の総合窓口(e-Stat)のAPIから当社が取得し、割合は当社で算出しました。 事業従事者5人以上の事業所が対象。「インターネットを活用した指導方法」の採用の有無であり、管理業務のシステム化の有無ではない。加盟しているから採用率が低い、という因果を示すものではありません。

ただしこれは全てのフランチャイズに一律で義務が及ぶものではありません。中小小売商業振興法の書面交付・説明の義務は「特定連鎖化事業」に該当する場合のものであり、公正取引委員会のガイドラインには、法律上の義務とは別に望ましい対応として示されている部分もあります。学習塾の加盟契約が対象になるかどうかは、事業の形態や契約の内容によって変わります。

参照する法令とガイドラインは次のとおりです。

  • 中小小売商業振興法(経済産業省): 特定連鎖化事業(一定の要件を満たすフランチャイズ)の加盟者募集にあたり、契約内容を記載した書面の交付と説明について定めがあります。
  • フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について(公正取引委員会): 加盟者募集時の情報開示と、契約後の取引についての考え方が示されています。

自分が検討している契約が法令上の義務の対象になるかどうかは、契約前に弁護士などの専門家にご確認ください。ただ、義務の有無にかかわらず「書面で示してほしい」と求めること自体は、どの本部に対しても可能です。求めたときにどう反応するかも、本部を見る材料になります。

口頭の説明と書面を照合してください

説明会で聞いた話と、書面に書かれている内容が一致しているかを確認してください。とくに収支のモデルケースは、説明では好調な教室の数字が示され、書面では条件や前提が細かく付いていることがあります。差があった場合、その理由を質問してください。

5. 契約前に確認する、14項目

以下は、うまくいかなかったときに選択肢を左右する項目です。在籍が伸びているあいだは問題になりませんが、伸び悩んだときに効いてきます。

お金に関すること

  • 加盟金の金額と、契約に至らなかった場合・中途解約した場合の返還の有無
  • 保証金の金額と、返還の条件および時期
  • ロイヤリティの方式・率または金額と、算定の基礎に何を含むか
  • ロイヤリティ以外に継続的に発生する費用(システム利用料、広告分担金、研修費、教材仕入の条件)
  • 本部から購入が義務づけられる物品と、その価格の決まり方

契約の期間と終わり方

  • 契約期間と、更新の条件・更新料の有無
  • 中途解約したときの違約金の算定方法
  • 競業避止義務の範囲(地域・業種)と期間
  • 本部側から契約を解除できる条件
  • 教室を第三者に譲渡できるか、その場合の条件

商圏と支援

  • テリトリー権の有無。近隣に同ブランドが出店しない保証があるか
  • 保証がない場合、どの距離まで出店される可能性があるか
  • 開校時と開校後に、本部から具体的に何が提供されるか
  • 本部の広告費は誰が負担し、どの範囲に配信されるか

中途解約と競業避止の2つは、とくに重要です。うまくいかなかったときに撤退できるか、撤退後に同じ地域で再起できるかが、この条項で決まります。

競業避止は、抜けたあとを縛る

競業避止義務には、契約期間中の競業を禁じるものと、契約が終わったあとの一定期間を縛るものがあります。撤退後の選択肢に直接効くのは契約終了後のほうです。見るのは次の4つです。

  • 期間 解約や契約満了から何年のあいだ縛られるか
  • 地域 教室から半径何キロか、同一市区町村か、都道府県単位か
  • 業種 学習塾全般が対象か、同じ指導方式に限るか
  • 誰が縛られるか 加盟者本人だけか、法人の代表者・役員・親族、別法人への出資や勤務、第三者を介した営業まで含むか

塾は生徒が通える範囲でしか商売にならない事業です。地域の縛りが自分の商圏をそのまま覆っていると、抜けたあとに同じ場所で塾を続けられません。引っ越すか、業態を変えるかになります。4つの軸の中身と、違反したときに何が起きると書いてあるかを、契約前に読んでください。

条項の有効性そのものについて、本サイトでは判断しません。一般論として、契約書に書かれていても常にそのまま認められるとは限りませんが、争うことを前提に加盟するのは現実的ではありません。範囲が広いと感じたら、締結前に弁護士へ相談してください。

6. 独立のほうが向く、3つの条件

第2章の式は、次のように読み替えられます。左辺(加盟で増える在籍数)が小さくなる条件に当てはまるほど、加盟の価値は下がります。

  1. すでに生徒を集められる状態にある 前職や地域での関係から、開校時点で一定の在籍が見込めるなら、加盟によって上積みされる人数は小さくなります。この場合、ロイヤリティがほぼ純粋な費用増になります。売上歩合型ならとくに不利です。
  2. 指導と運営の型が自分にある カリキュラム・教材・講師の指導手順を自分で設計できるなら、本部から得られる価値は集客支援に限られます。集客だけであれば、加盟以外の手段(広告、地域での関係づくり)と費用を比較できます。
  3. 商圏に同ブランドがすでに出店している 近隣に同じブランドの教室があると、ブランド認知による新規獲得の上積みが小さくなります。加盟の主な価値である左辺が期待しにくい状況です。テリトリー権の確認とあわせて見てください。

逆に、集客に不安があり、指導の型もこれから作る段階で、商圏にそのブランドがまだ無いなら、加盟の価値が出やすくなります。この場合は本部選びが重要になるので、第5章のチェックリストで比較してください。

7. 説明会で本部に聞く、11の質問

加盟説明会は、本部が加盟希望者を審査する場であると同時に、加盟希望者が本部を審査する場でもあります。次の質問への答え方で、本部の姿勢がかなり分かります。

在籍数の実績について

  • 既存加盟教室の在籍数は、平均だけでなく分布を教えてもらえますか
  • 開校から1年時点、2年時点の平均在籍数はどれくらいですか
  • 直近3年で閉鎖・撤退した教室は何件ありますか。その理由は何でしたか
  • いま最も在籍が少ない教室は何人ですか

平均値だけが示され、分布や撤退件数を答えてもらえない場合、第2章の計算に必要な数字が揃いません。数字を出せない本部の収支モデルは、自分の計画の根拠にできません。

支援の中身について

  • 開校時の生徒募集について、本部は具体的に何をしてくれますか。費用は誰が負担しますか
  • 開校後の支援は、担当者が何か月に1回、どのような形で入りますか
  • 講師の採用は、本部が支援しますか。それとも加盟者が自力で行いますか
  • 教材やシステムに本部指定のものはありますか。その費用は月額いくらですか

商圏について

  • テリトリー権はありますか。ない場合、どの距離まで同ブランドが出店する可能性がありますか
  • この商圏について、本部はどのような調査をしていますか。その結果を見せてもらえますか
  • 近隣に既存の加盟教室があれば、そのオーナーに話を聞かせてもらえますか

既存加盟オーナーに会えるかどうかは、大きな判断材料です

本部を介さずに既存オーナーと話せるなら、本部の説明と現場の実感を照合できます。紹介を断られる場合、その理由を確認してください。加盟後にオーナー同士が交流する仕組みがあるかも、あわせて聞いておくとよいでしょう。

8. 調べても判断できないのには、理由がある

「塾 フランチャイズ 悲惨」や「塾 フランチャイズ 失敗」で検索して、答えが見つからないと感じた方は多いと思います。これには構造的な理由があります。

検索で上位に出てくるのは、フランチャイズ本部が自社で運営するメディアと、加盟希望者を本部に紹介して収益を得る比較サイトが中心です。どちらも最後は「だから加盟を」で締める立場にあります。

そのため、次の論点は表に出てきにくくなります。

本ページがこれらを扱っているのは、当社がどの本部とも加盟契約の関係を持っていないためです。

9. 学習塾フランチャイズで失敗する、典型パターン

いずれも、第2章の式のどこが崩れているかで説明できます。

  1. 加盟で増える在籍数を見積もらずに契約した 式の左辺が不明のまま右辺(ロイヤリティ)だけ確定します。典型的な形です。
  2. 本部の収支モデルをそのまま自分の計画にした 本部が示す収支例には、オーナー自身の人件費が計上されていないことがあります。自分が現場に立つ前提の数字を、講師を雇用する計画にそのまま流用すると合いません。示された収支例にオーナーの人件費が入っているかを確認してください。
  3. 商圏に同ブランドが出店した テリトリー権を確認していないと、後から近隣に同じブランドができることがあります。認知は共有される一方、生徒は分かれます。
  4. 中途解約の条件を見ていなかった うまくいかないと判断しても、違約金と競業避止のために動けなくなります。撤退の条件は、加盟前にしか交渉できません。
  5. ロイヤリティの算定基礎を確認していなかった 月謝だけが対象だと思っていたところ、季節講習と教材費も算定に含まれていた、というケースです。負担額が想定より大きくなります。

10. よくあるご質問

塾のフランチャイズは本当に悲惨なのですか。
加盟そのものが悲惨なのではなく、加盟によって増える在籍数が、支払うロイヤリティと追加費用に見合わない場合に、独立していたときより収支が厳しくなります。当社のモデルケースでは、売上歩合型のロイヤリティなら在籍が11人増えて、ようやく損得がゼロになります。この人数が自分の商圏で現実的かどうかが判断の分かれ目です。
加盟前に本部の条件を詳しく知る方法はありますか。
加盟者募集における情報開示については、中小小売商業振興法および公正取引委員会のガイドラインで取り扱いが示されています。ただし同法の書面交付・説明の義務は「特定連鎖化事業」に該当する場合のものであり、すべてのフランチャイズに一律で及ぶわけではありません。公正取引委員会のガイドラインにも、法律上の義務とは別に望ましい対応として示されている部分があります。自分の契約が対象になるかを含めて、契約前に弁護士などの専門家にご確認ください。
ロイヤリティは売上歩合型と定額型のどちらが有利ですか。
在籍数によって変わります。売上歩合型は、加盟しなくても集められたはずの生徒の売上にもロイヤリティがかかるため、既に集客力がある場合は不利になりやすい構造です。定額型は在籍が増えるほど1人あたりの負担が下がりますが、在籍が少ない期間は固定費として重くのしかかります。自分の想定在籍数を入れて両方を計算してください。
独立とフランチャイズ、どちらを選ぶべきですか。
すでに生徒を集められる状態にあるか、指導と運営の型が自分にあるか、商圏に同ブランドが出店済みか。この3つのいずれかに当てはまる場合は、独立のほうが有利になりやすい構造です。逆に、集客に不安があり、指導の型もこれから作る段階で、商圏にそのブランドがまだ無いなら、加盟の価値が出やすくなります。
契約前に必ず確認すべきことは何ですか。
加盟金と保証金の返還条件、ロイヤリティの算定方式、契約期間と更新料、中途解約したときの違約金、競業避止の範囲と期間、テリトリー権の有無です。とくに中途解約と競業避止は、うまくいかなかったときに選択肢を左右します。口頭の説明と書面の内容が一致しているかも照合してください。
フランチャイズをやめたいとき、どうなりますか。
契約期間の途中で解約する場合、違約金の定めがあることが一般的です。また競業避止義務によって、解約後の一定期間、同じ地域で同種の事業を行えない場合があります。この2つは加盟前に必ず確認してください。契約書の条項は本部によって異なるため、実際の判断は弁護士にご相談ください。

本ページで参照した法令・ガイドライン

  • 経済産業省「中小小売商業振興法」
  • 公正取引委員会「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」
  • 生徒1人あたり年間売上の算出には、総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」産業別集計(統計表ID 0004003273)を使用

当社の立場について

当社はどのフランチャイズ本部とも加盟契約の関係を持っていません。一方で、開業や経営のご相談をいただいた方のうち、条件から見てフランチャイズ加盟が適していると判断される場合に、本部をご紹介することがあります。 その際、紹介料・広告料・成果報酬といった対価を本部から受け取る可能性があります。 そのうえで、加盟すべきかどうかの判断材料は本ページと同じ計算と契約内容の確認を優先し、条件が合わない場合には見送りをお勧めします。

本ページの損得計算は、当社が置いた前提にもとづくモデルケースであり、特定の本部の加盟条件ではありません。ロイヤリティの方式・率・金額、契約条件は本部によって大きく異なります。収益や加盟の成功を保証するものでもありません。法令の適用範囲や契約内容の解釈については、弁護士などの専門家にご確認ください。