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塾の収支シミュレーター|月商・営業利益・損益分岐生徒数を試算する

月謝・生徒数・固定費を入れると、月商と簡易営業利益、そして固定費を回収できる損益分岐生徒数がその場で出ます。数値はすべて自由に変更できます。

入力欄に「1人あたり季節講習・教材費」があるのは、塾の売上が月謝だけではないためです。この欄を空にしたまま計算すると、売上を実態より小さく見積もることになります。理由は下の第2章で扱います。

収支を試算する

月謝・生徒数・固定費を入れると、月商・簡易営業利益・利益率・損益分岐の生徒数を試算します。数値は自由に変更できます。業態プリセットは小規模・安定稼働時のモデルケースで、業界平均ではありません。

月商
固定費 合計
簡易営業利益(月)
簡易営業利益率
損益分岐の生徒数
簡易営業利益(年・参考)

塾の売上は月謝だけではありません。総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」産業別集計(サービス関連産業に関する集計)(受講生1,778,072人・年間売上844,626,000,000円)から受講生1人あたりの年間売上を割り戻すと月換算39,585円になり、月謝の相場より高く出ます。差分には季節講習・教材費・複数科目の受講が含まれるとみられます(受講生数は時点値・売上は年間値のため、年度内の入退塾で上振れします)。月謝だけで試算すると売上を小さく見積もる可能性があるため、「1人あたり季節講習・教材費」の欄に月換算で入れてください。

この試算は入力値に基づく簡易計算です。表示する「簡易営業利益」は、オーナー自身の報酬・借入の元本返済・税金・初期投資の回収・設備の減価償却を差し引く前の値で、実際の手残りより高く出ます(人件費にオーナー報酬を含めると利益は下がります)。損益分岐の生徒数は、入力した固定費を回収するための人数で、オーナーの生活費・借入返済・税・初期投資の回収は含みません。年間の数値は同じ生徒数・単価・費用が12か月続く前提です。実際は学年構成・コマ数・季節講習の実施回数・退塾率・講師の採用状況・立地で大きく変わり、生徒数は新年度と季節講習期で振れます。売上・利益を保証するものではありません。損益分岐生徒数 = 固定費 ÷ 1人あたり貢献利益〔(月謝+季節講習・教材費)×(1−変動費率)〕で算出しています。

1. 結果のどこを見るか

最初に見るべきは営業利益の金額ではなく、損益分岐の生徒数です。この人数が、その教室を続けられるかどうかの下限を決めます。

  1. 損益分岐の生徒数が、商圏から現実的に届く範囲か その場所に対象学年の子どもが何人いて、何割が塾に通うかで上限が決まります。確かめ方は開業ガイドの商圏の章で扱っています。
  2. その人数に到達するまで何か月かかるか 生徒は一度に集まりません。到達までの期間、固定費を払い続ける運転資金が要ります。
  3. 人件費の欄に、自分の報酬を入れたか 入れていない場合、表示される利益は「自分がただ働きした場合の利益」です。

固定費を決めた時点で、必要な生徒数はほぼ決まります

家賃を含む固定費を先に決めてしまうと、損益分岐の生徒数はそこで確定します。物件を契約する前にこの試算を回してください。契約後に気づくと、家賃の再交渉か規模の見直しという限られた選択肢しか残りません。

2. 月謝だけで積むと、売上を半分近く見誤る

塾の開業を扱う記事の多くは「月謝は2万円前後」という一文で単価を片づけます。しかし政府統計から割り戻すと、実態はかなり違います。

総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」産業別集計(サービス関連産業に関する集計)によると、学習塾の受講生数は1,778,072人、年間売上は844,626,000,000円です。割ると 受講生1人あたりの年間売上は475,024円、月換算で39,585円になります。

見方 1人あたり月額
競合記事が書く「月謝の相場」 20,000円前後
政府統計から割り戻した実効単価 39,585円

差分に含まれるとみられるのは、季節講習・教材費・複数科目の受講です。これらは例外的な収入ではなく、塾の収益構造に組み込まれた常設の要素です。だからシミュレーターの入力欄を月謝と分けています。

注記: 受講生数は2021年6月1日時点の在籍者数、売上は年間値。年度内の入退塾により1人あたりの値は上振れする。したがってこの単価は上限寄りの値として扱ってください。出典: 総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」産業別集計(サービス関連産業に関する集計)(統計表ID 0004003273)。当社が e-Stat のAPIから取得し、1人あたりの値は当社で計算しています。

3. 月謝の入力値は、統計の分布から決まる

いくらに設定すべきか迷う場合、実際の事業所がどの価格帯に集まっているかを見るのが早道です。経済産業省・総務省「経済構造実態調査」(2020年)第5表・第4表には、1時間あたり受講料の分布が指導方式・学年別に載っています。

指導方式・学年 最も多い価格帯(1時間あたり) 構成比
個別指導・中学生 2千円以上5千円未満 80.2%
集団指導・小学生 千円未満 50.5%

同じ「塾」でも、指導方式によって1時間あたりの単価は数倍違います。個別指導は講師1人が見る生徒数が少ないぶん単価が高く、集団指導は逆になります。どちらが有利かではなく、単価と変動費率がセットで決まるという関係です。

価格の決め方と入会金の扱いは、塾経営のページで分布のすべての帯を示して詳しく扱っています。

出典: 経済産業省・総務省「経済構造実態調査」(2020年)第5表・第4表(統計表ID 個別指導 0003450271 / 集団指導 0003450270)。事業従事者5人以上の事業所が対象。1つの事業所が複数の学年・方式に該当するため合算はできない。構成比は当社で計算しています。

4. あわせて使うページ

よくあるご質問

塾の損益分岐生徒数はどう計算しますか。

固定費を、生徒1人あたりの貢献利益で割ります。貢献利益は「(月謝+季節講習・教材費の月換算)×(1−変動費率)」です。変動費は講師のコマ給や教材原価のように、生徒が増えると増える費用を指します。本ページのシミュレーターはこの式で計算しています。

月謝だけで事業計画を立ててはいけないのはなぜですか。

政府統計から割り戻すと、受講生1人あたりの年間売上は475,024円、月換算で39,585円になります。月謝の相場として語られる2万円前後より高く、差分には季節講習・教材費・複数科目の受講が含まれるとみられます。月謝だけで積むと売上を小さく見誤る可能性があります。

シミュレーターの「簡易営業利益」はそのまま手残りになりますか。

なりません。表示している簡易営業利益は、オーナー自身の報酬・借入の元本返済・税金・初期投資の回収・設備の減価償却を差し引く前の値です。人件費の欄にオーナー報酬を含めて入力すると、より実態に近い数字になります。

業態プリセットの数値は業界平均ですか。

業界平均ではありません。当社が置いた小規模・安定稼働時のモデルケースです。立地・坪数・学年構成・コマ数・講師の採用状況で大きく変わるため、自分の条件に置き換えて使ってください。政府統計にもとづく値は本ページで出典を明記して別に示しています。

変動費率は何パーセントで見ればよいですか。

指導方式によって変わります。講師1人が生徒1〜3人を見る個別指導は、生徒が増えるとコマ数と講師人件費が増える関係が強く、変動費率が高くなりやすい傾向があります。1人の講師が多人数を教える集団指導は低くなりやすい傾向です。自分の教室の直近の実績があれば、その値を入れてください。