INDIVIDUAL TUTORING
個別指導塾の開業ガイド|1コマの収益構造と、個人・FCの選び方
個別指導は、学習塾で最も事業所数が多い方式です。単価は高く取れます。ただ、「思ったより利益が残らない」という声も多い業態です。
残らない理由は、1講座あたりに何人入るかにあります。集団指導と同じ在籍数を教えるのに、個別指導は開くべき講座数が増えます。講座数が増えるぶん、単価の高さは利益に残りにくくなります。
1講座あたりの在籍者数と、1事業所あたりの年間開設時間。政府統計のこの2つから、単価の高さがどこで相殺されるのかを出します。加盟を見送ったほうがよい条件も書いています。当社はどの本部とも加盟契約の関係を持っていません。
一方で当社は、ご相談の結果としてフランチャイズ本部をご紹介する場合に、紹介料などの対価を本部から受け取る可能性があります。判断材料は本ページと同じ計算を優先し、条件が合わない場合は見送りをお勧めします。
SHORT ANSWER
結論から。 個別指導が「利益が残らない」と言われるのは、単価が低いからではなく生徒1人ごとに講座を立てる方式だからです。在籍が増えれば、そのぶん開く講座が増え、講師の稼働も増えます。 政府統計で1講座あたりの在籍者数を見ると、集団指導5.43人に対し 個別指導は1.08人。1事業所あたりの年間開設時間も個別が集団の2.1倍です。この統計は受講料も費用も含まないため変動費率そのものは測っていませんが、個別指導で変動費率が高くなりやすい背景として説明できます。
構造は第2章、単価の決め方は第3章、個人とフランチャイズの分かれ目は第7章で扱います。 加盟そのものの損得計算はフランチャイズのページ、開業手続きの全体像は開業ガイドにあります。
1. 個別指導の収益構造を、集団指導と並べて分解する
個別指導と集団指導では、売上の立ち方がかなり違います。個別指導は、生徒ごとに時間を割り当てる方式です。単価を高く設定できる代わりに、1人の講師が同時に扱える人数に上限があります。
この違いで、開業前に決める「何人集めれば成立するか」が変わります。先に、集計値を並べます。
| 指標 | 集団指導 | 個別指導 |
|---|---|---|
| 該当事業所数 | 15,378 | 14,695 |
| 1講座あたり受講生数 | 5.43人 | 1.08人 |
| 1事業所あたり受講生数 | 113.6人 | 73.6人 |
| 1事業所あたり年間開設時間 | 2,216時間 | 4,579時間 |
| 1講座あたり年間開設時間 | 106時間 | 67.1時間 |
| 在籍に占める新規の割合 | 28.1% | 35.8% |
1講座あたりの受講生数が集団の約20%にとどまること、1事業所あたりの年間開設時間が集団の約2.1倍であること、在籍に占める新規の割合が集団より高いこと。次章から順に扱います。
出典: 経済産業省・総務省「経済構造実態調査」(2020年)【33学習塾】事業従事者5人以上の部 第8表(統計表ID 0003450274)。当社が e-Stat のAPIから取得し、1講座あたり等の値は当社で計算しています。事業従事者5人以上の事業所が対象。経営組織別_計。1つの事業所が集団・個別の両方を行う場合があるため、該当事業所数の合計は全体と一致しない。
「1講座あたり受講生数」は在籍者数 ÷ 講座数で、1コマで同時に指導する人数ではありません。個別指導は生徒ごとに講座を立てるため1に近い値になり、集団指導も科目別に講座が積み上がるため、実際のクラス規模より小さく出ます。方式による講座の立て方の違いを見る指標として扱ってください。
2. 個別指導は、生徒1人の増加が講師のコマ数に直結する
「個別指導は変動費率が高い」という説明はよく見かけますが、その背景まで書かれていることは多くありません。政府統計に費用は含まれていないので変動費率そのものは出せませんが、1講座に何人が在籍しているかなら数字で示せます。次に、生徒とコマ数の連動を見ます。
読み方 1マスが1講座です。同じ在籍60人でも、集団指導は12講座で足りるのに対し、個別指導は56講座を開くことになります。 講座が増えれば、その分だけ講師のコマと教室の席が要ります。個別指導は1人あたりの単価を高く取れますが、その差はこの講座数の多さで戻っていきます。利益が残るかどうかは、単価ではなく1講座に何人入るかで決まります。
出典: 経済産業省・総務省「経済構造実態調査」(2020年)【33学習塾】事業従事者5人以上の部 第8表(統計表ID 0003450274)。政府統計の総合窓口(e-Stat)のAPIから当社が取得し、講座数への換算は当社で行いました。 1講座あたり在籍者数は在籍者数 ÷ 講座数で、1コマで同時に指導する人数ではありません。事業従事者5人以上の事業所が対象。経営組織別_計。1つの事業所が集団・個別の両方を行う場合があるため、該当事業所数の合計は全体と一致しない。
他の方式との比較は業態別のページにあります。集団指導や自立学習型を含めて、どの方式が自分の条件に合うかを先に見たい場合はそちらから読んでください。
この図の読み方
1講座あたりの受講生数は、集団5.43人に対して個別1.08人。 集団は個別の5倍です。 同じ在籍数を教えるのに、個別指導は講座を多く開く必要があるということです。 実際に1事業所あたりの年間開設時間も個別が2.1倍で、 在籍を同じにしても必要な講師の稼働が増えます。 この統計に費用も受講料も含まれていないため変動費率そのものは分かりませんが、 「個別指導は変動費率が高い」と言われる背景として説明がつきます。
これは全国の集計値であり、個々の教室の収支ではありません。 講座の定義は事業所によって異なり、1講座に複数の講師が入る場合や、同じ受講生が複数の講座に在籍する場合があります。 したがって「講師1人が同時に見る人数」そのものではありません。方式による受講生密度の違いを示す補助指標として扱ってください。受講料も費用も含まない統計のため、1コマあたりの売上や変動費率そのものの根拠にはなりません。
事業従事者5人以上の事業所が対象。経営組織別_計。1つの事業所が集団・個別の両方を行う場合があるため、該当事業所数の合計は全体と一致しない。
変動費とは、生徒が増えると増える費用のことです。塾では講師のコマ給と教材原価が中心になります。個別指導では、生徒が1人増えるとコマを増やす必要が生じやすく、コマが増えれば講師の人件費が増えます。この連動が集団指導より強く働きます。統計が示しているのは1講座あたりの受講生数の差までで、費用の実額は含まれていません。ただしこの構造は、変動費率が高くなりやすい理由として説明がつきます。
集団指導では、1コマに4人いても8人いても講師は1人です。生徒が増えても人件費が階段状にしか増えません。個別指導ではこの緩衝が小さくなります。
単価が高いことと、利益が残ることは別です
個別指導は1人あたりの受講料を高く設定できます。しかしその単価は、講師の稼働を多く使うことの対価でもあります。単価だけを見て「個別のほうが儲かる」と判断すると、変動費の増え方を見落とします。判断するときは、単価と変動費率をセットで置いてください。
自分の教室の変動費率を出す
すでに運営している場合は、実績から出せます。直近12か月の講師人件費と教材原価の合計を、同期間の売上で割った値が変動費率です。開業前なら、想定するコマ編成から積み上げます。
当社のモデルケースでは、個別指導を30%、集団指導を15%として置いています。この値を収支シミュレーターで動かすと、損益分岐生徒数がどれだけ変わるかを確かめられます。
3. 単価を決める前に見る、受講料の分布
いくらに設定するかは、実際の事業所がどの価格帯に集まっているかを見るのが早道です。経済産業省・総務省「経済構造実態調査」(2020年)第5表・第4表には、1時間あたり受講料の分布が指導方式・学年別に載っています。
個別指導・中学生では、「2千円以上5千円未満」が80.2%と圧倒的です。ここが実質的な標準帯になります。
ただし、月謝だけで売上を積まないでください
政府統計から割り戻すと、受講生1人あたりの実効単価は月39,585円になります。月謝の相場として語られる2万円前後より高く、差分には季節講習・教材費・複数科目の受講が含まれるとみられます。月謝だけを積み上げた収支計画は、この部分を取りこぼします。詳しくは塾経営のページで分布のすべての帯を示して扱っています。
個別指導では、1対1か1対2か1対3かで単価が変わります。同時に見る人数を増やせば1コマあたりの売上は増えますが、1人あたりの単価は下げることになり、指導の密度も落ちます。先に決めるべきは人数ではなく、目標とする在籍数と固定費です。そこから逆算すると、必要なコマ数と講師数が決まります。
4. 在籍が埋まっても、募集は止めない
第1章の表で、在籍に占める新規の割合が個別35.8%・集団28.1%と差がありました。個別指導のほうが7.7ポイント高いという意味です。
この数字は在籍のうち何割が新規かを示すもので、退塾率そのものではありません。成長中の教室や開校から日が浅い教室でも高く出ます。それでも方式で差が出ている以上、個別指導のほうが新規獲得への依存度が相対的に高い可能性はあります。集団指導は学年やクラスの単位で継続しやすいのに対し、個別指導は目的が達成されると離れやすい面があるためです。受験が終わった、苦手科目が克服できた、といった区切りが訪れます。
計画上は、募集を継続する前提で置いたほうが安全です。在籍が目標に届いたあとも新規獲得を止めない前提で、広告費を一時的なものではなく継続的な費用として見込んでください。実際に何人の新規が必要かは、自塾の退塾率から計算できます。
広告費は業界全体でも常時かかっている
経済構造実態調査(費用内訳割合)によると、学習塾の費用総額に占める広告宣伝費は2025年で8.1%です。2019年は10%でした。2019年・2020年・2022年・2023年・2024年・2025年の各調査年で、この費目は確認できます(2021年は調査年に含まれません)。広告費は開校時に使い切るものではなく、毎年の費目として業界全体の数字に出ています。新規獲得への依存が高い教室では、ここを削った影響が早く出る可能性があります。なおこれは費用に占める割合で、金額そのものではありません。学習塾全体の集計であって個別指導だけの広告費率ではなく、各教室が毎年広告費を支出したという意味でもありません。自塾の実額に置き換えて使ってください。
退塾率が利益に与える影響そのものは塾経営のページで、必要な新規入塾数を含めて扱っています。
5. 手続きは塾一般と同じ。違うのは開校後の事務
開業そのものの手続きに、個別指導だから増えるものはありません。業種としての許認可は要らず、個人なら税務署に開業届を出すところから始まります。物件の用途地域や消防の確認、法人にするかどうかも、指導方式では変わりません。手順は開業ガイドにまとめています。
差が出るのは開校したあとです。事務の量が集団指導より多くなります。個別指導は生徒1人ごとに講座を立てるため、1事業所あたりの年間開設時間が集団の2.1倍になります。コマの数だけ、時間割と講師のシフトを組む回数が増えます。
講師の人数が多いぶん、労務の実務が最初から発生する
コマ数が多い分、講師の人数も多くなります。学生アルバイトが中心になる教室が多く、開校の月から給与計算・源泉徴収・労働保険の実務が発生します。1人で始める自宅塾なら後回しにできる部分が、個別指導では最初から要ります。人数が読めた時点で、社会保険労務士に相談する範囲を決めておいてください。
管理システムは、コマの複雑さで要否が変わる
入退室の記録、振替の管理、請求と集金を何で回すかを決めます。集団指導なら曜日と時間が固定なので表計算でも回りますが、個別指導は振替が日常的に起きます。誰がどのコマに入るかが毎週動くため、手で管理する負担が在籍数に対して線形以上に増えます。
ただし開校時から要るとは限りません。判断は機能の比較からではなく、いま何に時間を取られているかを数えるところから始めます。月額は固定費に乗るので、次章の損益分岐生徒数にそのまま効きます。入れるかどうかと、入れる場合に何を見るかは塾管理システムのページで扱っています。
6. 何人で成立するかは、固定費から逆算する
個別指導特有の構造を押さえたら、次は自分の教室の数字です。損益分岐生徒数は、月次固定費を生徒1人あたりの限界利益で割って求めます。
損益分岐生徒数
月次固定費 ÷ {(月謝 + 季節講習・教材費の月換算)×(1 − 変動費率)}
個別指導で注意すべきは、変動費率がこの式の分母を直接押し下げることです。変動費率が15%なら1人あたりの限界利益は単価の85%ですが、30%なら70%になります。同じ固定費でも、必要な在籍数が2割ほど増えます。
開業形態ごとの固定費と損益分岐生徒数は塾経営のページで図にしています。自分の数字を入れて計算するなら収支シミュレーターを使ってください。個別指導のプリセットが入っています。
固定費を決めた時点で、必要な在籍数はほぼ決まります
家賃を含む固定費を先に決めてしまうと、損益分岐生徒数はそこで確定します。物件を契約する前に計算してください。その人数が、商圏の学齢人口と通塾率から見て現実的に届く範囲かどうかは開業ガイドの商圏の章で扱っています。
7. 個人とフランチャイズ、向き不向きは条件で分かれる
個別指導はフランチャイズの供給が最も多い業態です。加盟すべきかどうかは好みではなく、条件で判断できます。
読み方 加盟している事業所は44.9%、加盟していない事業所は72.3%です。加盟側だけが半数を割っています。 本部が用意した教材と指導方法を使う前提だと、教室の判断で入れ替えられる範囲は狭くなります。良し悪しではなく、自分で決められる範囲が変わるということです。加盟を検討する段階で、システムと教材の裁量がどこまであるかを確認してください。
出典: 経済産業省・総務省「経済構造実態調査」(2020年)【33学習塾】事業従事者5人以上の部 第3表(統計表ID 0003450269)。政府統計の総合窓口(e-Stat)のAPIから当社が取得し、割合は当社で算出しました。 事業従事者5人以上の事業所が対象。「インターネットを活用した指導方法」の採用の有無であり、管理業務のシステム化の有無ではない。加盟しているから採用率が低い、という因果を示すものではありません。
まず全国の集計値で、加盟と非加盟がどう違うかを見ておきます。経済産業省「特定サービス産業実態調査」(2018年)学習塾・全国計によると、次のとおりです。
| 指標 | FC加盟 | FC非加盟 |
|---|---|---|
| 営業利益率 | 16.8% | 17% |
| 1事業所あたり営業利益 | 1,932,668円 | 4,796,505円 |
| 受講生1人あたり年間売上 | 187,651円 | 397,832円 |
営業利益率はほぼ同じです。差が出ているのは1事業所あたりの規模で、加盟は非加盟の40%、単価は47%です。つまり加盟すると収益性が落ちるのではなく、1教室あたりが小さくなる傾向が集計値には出ています。
個人開業のほうが向きやすい3つの条件
- すでに生徒を集められる状態にある。前職の縁、地域での認知、指導実績など。加盟の最大の価値は集客なので、ここが埋まっているなら払う理由が小さくなります
- 指導と運営の型を自分が持っている。カリキュラム、講師の育て方、面談の進め方。型を買う必要がないなら、ロイヤリティは純粋なコストになります
- 商圏に同ブランドが出店済み。認知は共有されますが、生徒は分かれます。テリトリー権の有無は必ず確認してください
加盟の損得そのものは式で計算できます。加盟で増える在籍数 × 1人あたり限界利益が、ロイヤリティ + 追加固定費を上回るかです。この計算と、契約前に確認すべき14項目はフランチャイズのページで扱っています。個社ブランドごとの加盟条件は本ページでは扱いません。
8. 開業資金は、運転資金まで含めて見る
個別指導塾の初期費用は、教室の規模でほぼ決まります。当社のモデルケースでは、10〜15坪の小型テナント型が4,200,000円、25〜30坪の標準型が8,000,000円です。フランチャイズに加盟する場合は、加盟金・保証金・研修費が上乗せされます。
ただし、設備費だけを積んだ額は「開業資金」ではありません。生徒が集まりきるまで固定費を払い続ける運転資金を含めて、初めて実際に必要な額になります。塾は入塾が新年度と季節講習の前に集中するため、開校時期を外すと次の募集期まで在籍が積み上がりません。
総額と、自己資金・借入で補う額の目安は開業資金シミュレーターで試算できます。費用の内訳と調達の考え方は開業ガイドの費用の章にあります。
初期費用の金額は当社が置いたモデルケースであり、業界平均や特定の本部の条件ではありません。立地・坪数・居抜きの有無で大きく変わります。
9. 目標在籍数から、コマ数・席数・坪数を順に出す
個別指導では、坪数を先に決めると失敗しやすくなります。決める順序は逆で、目標在籍数 → 必要コマ数 → 必要席数 → 坪数です。
- 目標在籍数を決める 損益分岐生徒数に、生活費と借入返済を賄える余裕を足した数です
- 週あたりの必要コマ数を出す 在籍数 × 週あたり受講コマ数 ÷ 同時に見る人数(1対1なら1、1対2なら2)
- ピーク時間帯に必要な席数を出す コマは平日夕方から夜に集中します。全体の平均ではなく、最も混む時間帯で計算してください
- 席数から坪数を決める ブース、講師の動線、待機・自習スペース、面談ができる場所を含めて設計します
ピーク時間帯で設計してください
平均で設計すると、平日夜に席が足りなくなります。席が足りないと、受け入れられるはずの生徒を断ることになります。逆に余らせすぎると、使わない面積の家賃を毎月払い続けることになります。ピーク時間帯の必要席数を実数で出してから坪数を決めてください。
講師の確保も同じ順序です。ピーク時間帯に何コマ必要かが分かって初めて、何人の講師をどの曜日に確保すべきかが決まります。個別指導は学生アルバイトが中心になるため、試験期間と長期休暇の稼働をどう埋めるかも設計に含めてください。
10. 個別指導塾でつまずく、5つの型
いずれも、これまでの章のどこが崩れているかで説明できます。
- 単価の高さだけを見て変動費率を置かなかった 月謝が高いから利益が出ると考え、コマ数の増加に伴う人件費を織り込んでいない形です。第2章の構造がそのまま効きます
- 坪数を先に決めた 物件が先にあり、そこから在籍目標を逆算した形です。ピーク時間帯の席数が足りないか、余った面積の家賃を払い続けることになります
- 在籍が目標に届いた時点で募集を止めた 個別指導は在籍に占める新規の割合が35.8%(集団28.1%)で、新規獲得への依存度が相対的に高く出ています。募集を止めれば在籍は減る前提で、広告費を継続費用として置いてください
- 講師の確保をピークで計算していなかった 平日夜に人が足りず、受け入れを断ることになります。断った生徒は戻ってきません
- 加盟の損得を計算せずに契約した 「集客してもらえる」という期待だけで加盟すると、増える在籍数がロイヤリティに見合うかを確かめないまま固定費だけが増えます
11. よくあるご質問
- 個別指導塾の開業資金はいくらですか。
- 規模と、個人で開業するかフランチャイズに加盟するかで変わります。当社のモデルケースでは、10〜15坪の小型テナント型で初期費用が4,200,000円、25〜30坪の標準型で8,000,000円です。フランチャイズに加盟する場合は、これに加盟金・保証金・研修費が上乗せされます。金額は本部によって大きく異なるため、示された条件の実数で計算してください。
- 個別指導は集団指導より儲かりませんか。
- 単価は高いのですが、生徒1人ごとに講座(コマ)を立てる方式のため、在籍が増えるとそのぶん講師の稼働が増えます。「経済構造実態調査」(2020年)【33学習塾】事業従事者5人以上の部 第8表から算出すると、1講座あたりの在籍者数は集団指導が5.43人、個別指導が1.08人でした。これは在籍者数を講座数で割った値で、1コマで同時に指導する人数ではありません。1事業所あたりの年間開設時間も個別が集団の2.1倍です。この統計に受講料も費用も含まれないため変動費率そのものは分かりませんが、個別指導で変動費率が高くなりやすい背景として説明できます。どちらが有利かではなく、単価と変動費率をセットで置いて判断する関係です。
- 個別指導塾の変動費率は何パーセントで見ればよいですか。
- 一律の数字はありません。ただし個別指導は、生徒が増えるとコマ数が増え、コマ数が増えると講師の人件費が増えるという関係が集団指導より強く働きます。当社のモデルケースでは個別指導を30%、集団指導を15%として計算しています。自分の教室で直近の実績があれば、講師人件費と教材原価を売上で割った実数を使ってください。
- 個別指導塾は個人開業とフランチャイズのどちらがよいですか。
- 集客力と、指導・運営の型を自分が持っているかで分かれます。すでに生徒を集められる状態にあり、指導の型もある場合は、ロイヤリティを払う分だけ個人開業が有利になりやすい構造です。逆に集客に不安があり、型もこれから作る段階なら、加盟の価値が出やすくなります。判断は式で計算できます。加盟で増える在籍数が、ロイヤリティと追加固定費を上回るかどうかです。
- 1対1と1対2、1対3のどれを選ぶべきですか。
- 同時に見る人数が増えるほど1コマあたりの売上は増えますが、1人あたりの単価は下げることになり、指導の密度も落ちます。先に決めるべきは人数ではなく、目標とする在籍数と月次の固定費です。固定費を1人あたりの限界利益で割った数が損益分岐生徒数になり、そこから逆算すると必要なコマ数と講師数が決まります。
- 個別指導塾は新規募集を止められますか。
- 計画上は、継続する前提で置いたほうが安全です。経済構造実態調査(2020年)第8表から算出すると、在籍に占める新規の割合は個別指導が35.8%、集団指導が28.1%です。これは在籍のうち何割が新規かを示す値で、退塾率そのものではありません。成長中の教室でも高く出ます。それでも方式で差がある以上、個別指導のほうが新規獲得への依存度が相対的に高い可能性があります。開業前の計画段階から、広告費を継続的な費用として見込んでおいてください。
本ページで参照した統計
- 経済産業省・総務省「経済構造実態調査」(2020年)【33学習塾】事業従事者5人以上の部 第8表(統計表ID 0003450274)
- 経済産業省・総務省「経済構造実態調査」(2020年)第5表・第4表(統計表ID 個別指導 0003450271 / 集団指導 0003450270)
- 経済産業省「特定サービス産業実態調査」(2018年)学習塾・全国計(統計表ID 0003409877)
- 受講生1人あたり実効単価の算出には、総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」産業別集計を使用
当社の立場について
当社はどのフランチャイズ本部とも加盟契約の関係を持っていません。一方で、開業のご相談をいただいた方のうち、条件から見て加盟が適していると判断される場合に、本部をご紹介することがあります。 その際、紹介料・広告料・成果報酬といった対価を本部から受け取る可能性があります。 そのうえで、加盟すべきかどうかの判断材料は本ページと同じ計算を優先し、条件が合わない場合には見送りをお勧めします。
本ページで参照した統計は、調査年次(2018年・2020年・2021年)も対象母集団も異なります。相互に割り算したり、時系列の変化として比較したりはしていません。本ページの初期費用・変動費率・損益分岐生徒数は、当社が置いた前提にもとづくモデルケースであり、業界平均や特定の本部の条件ではありません。収益を保証するものでもありません。統計値は全国の集計であり、個々の教室の収支を示すものではありません。契約内容の解釈については、弁護士などの専門家にご確認ください。